広島ナイン驚愕 “甲斐キャノン”は強肩と送球だけじゃない
この日も十八番を封じられた。
広島が8―9でソフトバンクに敗れた30日の日本シリーズ(S)第3戦。その初回である。
1番・田中が四球で出塁。1死後、3番・丸の6球目にスタートを切った。だが、あえなく憤死し、三振ゲッツー。「甲斐キャノン」と称されるソフトバンクの捕手、甲斐拓也(25)の強肩の前に今季32盗塁の田中が二塁ベースのだいぶ手前で刺され、先制点のチャンスを逃した。
広島は今季、リーグトップの95盗塁を記録。強力打線と機動力でセのペナントレースを独走したが、この日本Sでは盗塁企図数5で成功はゼロ。武器である「足」を完全に殺されている。
今季、両リーグトップの盗塁阻止率・447を誇る甲斐について、シーズン17盗塁の俊足・広島の野間がこう言った。
「もちろん肩は強いし、送球までのスピードも速い。でも、強肩といわれる他の捕手とそのへんは同じ。ボクが気になるのは、配球です。走るときは当然、ピッチャーの動きやクセを見るのが重要だけど、(走ろうとすると)そうさせない配球やタイミングのずらし方をしてくる。ある程度は割り切っていくしかない部分もあるけど、一番隙のない捕手だと思います」