評論家・大宅映子さん<1>ゴルフは不公平さ受入れる人生修養
試合でも午前中回っている人は土砂降りの雨だったのに、午後回る人はピーカンだったり。一緒に回っている人が打っている時はフォロー風だったのに、自分の時は逆になったり。
でも、その不公平さ感がいいんです。日本人の考え方にみんな平等じゃないと、というのがありますが、人生はそんなもんじゃない。みんな顔も違うし、性格も違う。不公平なことがたくさんあって、それを乗り越えてこそ、豊かな人生と言えるわけで。
300ヤード飛ばすのも1打なら、1センチのパットも同じ1打。全く違う種類のゲームがあって、両方の課題をクリアしなきゃいけない。
不公平さを受け入れる。ゴルフは人生修養の場だと思うんです。それでも一日1発、いい当たりが出ればすごく気持ちいいんですよね。
ゴルフが持つ不公平さ感は、今の日本に必要なんです。
次回は私のゴルフの師匠、神津善行さんとのエピソードや、安井かずみ、森瑤子とのゴルフ交遊録をお届けします。
(取材・構成=日本ゴルフジャーナリスト協会会長代行・小川朗)