今も決して変わらない…本田圭佑は「負けず嫌いの挑戦者」
新天地・豪州で圧巻デビューを飾り、評価を上げている本田圭佑(メルボルン・ビクトリーFC)だが、日本代表で戦う彼の姿はもう見られそうにない。森保一監督率いる新生ジャパンのチームづくりが進めば進むほど「本田ロス」を感じるメディア関係者は少なくない。正直、筆者もそのひとりである。ただ、この男の向上心は失われていない。練習グラウンドでトレーニングに励む姿を目の当たりにしながら「オレ、必ず這い上がりますから」と目をぎらつかせていた10年前が蘇った……。
「この環境に慣れた? ぼちぼちですね」と本田は苦笑した。犬を連れて散歩する人やジョギングをする人が、だだっ広い広場を自由に行き交っている。それがメルボルンVの練習場だ。衆人環視の中、W杯3大会出場4得点の偉業を達成した男が、毎日練習するなんて、にわかに信じがたい。
それでも彼は、練習後やクラブハウスから駐車場まで歩く間、常にフレンドリーにファンに対応する。赤ちゃんにサインしながら「もうすぐオレの凄さが分かるでしょ」と冗談交じりに笑ってもみせる。
2年後の東京五輪で選手生活に区切りをつけるつもりなら「ファンサービスの時間も限られている」。そんな思いも本田のどこかにあるのかも知れない。