高橋大輔も危機感…男子フィギュアに押し寄せる“後進不足”
今大会で4回転に成功したジュニアの佐藤駿(14)もスーパー中学生と注目されているものの、結果は12位。今回の全日本だけ見ても、絶対王者の羽生不在の中、トップの宇野と4位以下の差は60点以上ある。その宇野も、右足首の捻挫を抱え、万全ではなかった。
本来であれば、今年の全日本は次世代が食い込む絶好のチャンスだった。しかし、4年間ものブランクがあった32歳の高橋が表彰台という現実は、2022年北京五輪を見据えるフィギュア界にとっては喜ばしいことではない。
過去の日本男子メダリストの成績を見ると、「飛躍曲線」に、ある傾向がみられる。五輪初出場から3~4年前の全日本で全員が表彰台を経験している。
日本男子で初のメダリストとなった高橋はトリノ(06年)の3年前、03年の全日本で3位。羽生もソチ(14年)の3年前、11年全日本で3位、宇野は平昌(18年)の4年前、14年全日本で2位だった。この伝でいえば、無名の若手らは遅くとも来季には表彰台に食い込まなければ、メダルを狙えるところまで成長できないことになる。
高橋の言った「まさか」の言葉には、そんな懸念もあったのかもしれない。