ミスで自滅しない 大坂なおみが進化した「メタ認知」とは
もはや驚く結果ではない。
テニスの全豪オープン女子シングルス準決勝は、世界ランキング4位で第4シードの大坂なおみ(21)が、同8位で第7シードのカロリナ・プリスコバ(26=チェコ)と対戦。2―1で勝利し、同大会では日本勢初の決勝進出を決め、昨年の全米オープンに続くグランドスラム2連勝に挑む。相手は同6位で第8シードのペトラ・クビトバ(28=チェコ)だ。
「相手のサーブが良く、難しい試合だった。決勝戦はとてもワクワクしている。ベストのプレーをして全力を尽くしたい」
日本時間26日の決勝に向けてこう語った大坂の強みは、ハイチ系米国人の父から受け継ぐDNAだけではない。180センチの身長、オフに4キロ減量しても60キロを超える体重から放たれるサーブは確かに日本人離れしているものの、「メンタル面の成長が大坂を変えた」というのは、スポーツ心理学者でプロテニスコーチの児玉光雄氏だ。
「以前の大坂選手は大事なところでミスをするとそのままズルズルと自滅していった。2年前に出会ったサーシャ・コーチは、大坂のメンタル面に問題があると見抜き、選手目線で改善に取り組んだ。やさしい言葉づかいで折れそうな心を支え続け、大坂の幼い心は徐々に変わっていった。イラついてラケットを投げるシーンもめっきり減ったのは、『メタ認知』といって、自分の言動を客観的に見て、制御できるようになったからです。人並み外れたパワーやスピードがあっても、それに伴うメンタルの強さがなければグランドスラムを勝つことはできない。サーシャ・コーチと出会ったことは幸運です」