遠のく錦織GS制覇…稚拙なチームとマネジメントに疑問の声
ベスト8が精いっぱいだった。23日の全豪オープン準々決勝。世界ランク9位の錦織圭(29)は第1シードで同1位のジョコビッチ(31=セルビア)と対戦。第1セットを1―6で落とし、第2セットの途中で棄権した。4強入りを逃し、対ジョコビッチ戦はこれで15連敗となった。
この日のメルボルンの気温は27度。あす25日の予想気温は41度だそうだから、暑さに弱いジョコビッチにとって願ってもない条件だった。
序盤から左右に大きく振られると、第1セット終了後にメディカルタイムアウト。トレーナーから右太ももの治療を受けたものの、第2セットはさらに激しく揺さぶられ、1―4となったところでジ・エンドだ。
全豪は時差や気候の問題もあり、4大大会の中では欧米の一流どころが最も照準を合わせにくい大会だ。5月末の全仏以降にピークをもっていく選手が圧倒的に多い。そこへいくと日本人選手は時差に苦しむこともない。
上昇気流に乗っていた錦織にとってはまたとない狙いどころの大会だったにもかかわらず、初戦から運に助けられる苦しい戦いが続いた。1回戦はマイシュジャク(23=同176位)に2セット先取された上、棄権による勝利。4回戦のカレノブスタ(27=同23位)にも2セット先取され、最終セットのタイブレークでは微妙な判定に苛立ってペースを乱した相手に助けられたともいえる。この試合は5時間5分のマラソンマッチだった。