組織委奔走も…東京五輪入場券“不正転売”の敵は身内にあり
自国開催の五輪では不正チケットが出回りかねない。30日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は入場券の販売概要、チケット価格などを発表。全33競技を対象として4月以降に公式チケット販売サイトで抽選申し込みを開始する。
チケット価格は高めに設定されており、開会式は30万円(値段はいずれも最高額)。閉会式の22万円と続き、競技別では陸上男子100メートル決勝の13万円が最高。体操男女決勝が7万2000円、08年北京五輪以来、3大会ぶりに実施される野球の決勝、男子サッカー決勝とも6万7500円。人気競技や日本勢のメダル獲得が有力視される種目も、予選こそ安価だが、準決勝、決勝と進むにつれて高額になり、誰でも気軽に観戦できるような金額設定ではない。
組織委はパラリンピックと合わせて約1010万枚の販売を予定。過去最大規模の入場料収入を見込んでいるだけに、チケットの不正転売には目を光らせる。
組織委では転売を防止するため、チケット購入希望者には事前登録を義務化。購入しても当日、観戦できない場合に備えて、再販売制度を導入した。今年6月には、コンサートやスポーツイベントチケットの高額転売を規制する「入場券不正転売禁止法」が施行されるが、抜かりのない対策は国内に限られる。