広島・鈴木誠也が先輩の堂林に 異例“師弟”打撃指導の真意
異例の師弟関係と言っていいだろう。
15日、全体練習終了後の室内練習場で主砲の鈴木誠也(24)と3歳上の堂林翔太(27)が打撃練習。周囲が驚いたのは、バットを持って構える堂林に対し、後輩の鈴木がグリップの位置やスイングの角度など、身ぶり手ぶりを交えて指導を始めたからである。
節目の10年目を迎えた堂林が言う。
「(自分に)後がないのは分かっているので、やれることはやりたい。誠也は生きた教材。誠也を引っ張ってでも見てもらいたいと思った」
後輩に教えを請うたことを明かしたのだ。
一方の鈴木に聞くと、「(普段は)あまり(他の選手に)自分から言うことはないですね。バッティングなんて(本来は)シンプルなのが一番よくて、言うことはないですから」と言って、こう続けた。
「年下とか年上とか関係なく、みんなで頑張って勝つのが一番。自分のライバルだから教えないとか、(そういう考え方は)好きじゃない。もし(ポジションを)取られたら、その分また自分が頑張ればいいじゃないですか。後輩にも指導? ボクより下の選手たちが出てこないと、カープとしてもきついと思う。ボクも25になるし、下が出てくるのはチームにとっていいこと。ボクも経験があるわけではないし、伝えられることは少ないかもしれないけど、教えられることは教えたい」
なんとも頼もしい24歳である。