JOC後任会長の最有力 山下泰裕氏の評判と“先祖返り”懸念
「国際交流にも積極的で、中でもロシアのプーチン大統領と親交が深い。英語で最低限のコミュニケーションも図れ、世界的にも知名度がある。JOC会長は適任ではないか」(木村氏)
一方でこんな声もある。
■ますます強まる政治介入
「仮に山下常務理事が会長になっても何も変わらないばかりか、今以上にスポーツへの政治介入が顕著になるのではないか」
こう語るのはスポーツライターの津田俊樹氏だ。
JOCが体協(日本体育協会=現日本スポーツ協会)から脱退、独立したのは89年。ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議した米国の呼びかけに日本政府が追随したからだ。
「80年5月24日、JOC総会でモスクワ五輪に参加かボイコットかの投票が行われた。29対13という結果でボイコットが決まった。しかし、JOC委員の独自判断ではなかった。国から強い圧力があり、スポーツは政治に負けたのです。その反省からJOCは政治の介入を許さないために独立したはずでした」と言う津田氏は、さらに続ける。