JOC後任会長の最有力 山下泰裕氏の評判と“先祖返り”懸念
「バックに西武グループの総帥だった堤義明さんがいたからです。竹田家は旧皇族ながら乗馬クラブの事業失敗などで金銭的に困窮。所有していた竹田宮邸をJOC初代会長で当時名誉会長(現最高顧問)だった堤さんの父(康次郎)が買収し、その跡地に高輪プリンスホテルを建設した。前会長の八木祐四郎氏が急死して、次の会長を誰にするかで意見が割れたとき、元会長の堤さんが恩義のある竹田さんを推して決まったのです」(JOC関係者)
強力なコネと後ろ盾で長期政権を築いたものの、買収疑惑でついにジ・エンドである。
その後任のJOC会長には84年ロス五輪柔道無差別級金メダルの山下泰裕氏(61)が最有力候補として浮上している。
現在は全日本柔道連盟(全柔連)会長、JOCの選手強化本部長も務める山下氏。「誠実で実直」というのが関係者の一致した見方だ。
外見からは武骨なイメージを連想するが、日頃の言動は天然そのもの。有名なのは82年春の園遊会でのこと。昭和天皇に「柔道で一生懸命やっているようだね。ずいぶん骨が折れますか」とねぎらいの言葉をかけられた山下氏は「ええ、2年前に骨折したんですけど」と返したのだ。17年に全柔連会長に就任した際、自身が起用された理由について「ロス五輪金メダリストで、国民栄誉賞だからでしょう」と臆面もなく答えたという。