阪神・西いきなり洗礼…虎打線はやっぱり今季も“梅雨空”
開幕3連勝を狙った阪神の先発はFA右腕の西勇輝(28)。初回、2死一塁からバレンティン、雄平の連続適時二塁打で2点を先制されたが、その後はコーナーを突く巧みな投球で7回4安打2失点、無四死球で降板。その間、打線の援護は大山の犠飛による1点のみ。移籍初黒星となった。
それにしても、今季も阪神は打てない。完封勝ちした前日も、得点は初回に糸井が放ったソロ弾の1点だけ。延長サヨナラ勝ちを収めた開幕戦も、三塁打鳥谷の代走江越が生還したのは相手投手のワイルドピッチによるもの。最下位に終わった昨季、85本塁打、551打点はリーグ最少、577得点は同5位。貧打に慣れている投手陣からは、「今年もかよ……」と、愚痴とため息が聞こえてきそうだ。
ある球団のスコアラーが言う。
「西は150キロ超の直球で三振の山を築く投手ではない。スライダー、カーブ、シュート、チェンジアップ、フォークをテンポよく投げ分けゲームをつくる。セ・リーグにはいないタイプのクレバーな右腕です。昨年は25試合に先発し、クオリティースタート(先発が6回以上投げ、自責点3以内に抑えること)が15試合(パ5位)あり、阪神はその点を高く評価した。この日はまさに真骨頂を発揮した投球でした。西にとってやっかいなのは貧打です。この日のようにゲームさえつくれば確かに仕事はしたことになるが、先発投手ですからやはり勝ち星が欲しい。阪神から他球団に移籍した投手からは、『あの打線はいつも梅雨空。1、2点も許されない中で投げなければならない試合が多くしんどいです』という声をよく聞いた。西もそんな印象を持つまでには長い時間はかからないかもしれませんよ(笑い)」
阪神入りを決めた西が振ったソフトバンクは強打が自慢。開幕3試合も計33安打、14得点で投手陣を助けた。今更「入る球団を誤った」と思っても、もう遅い。