阪神・矢野監督の大ハシャギにOB福間氏が「大賛成」の理由
監督たるものドッシリ構えるべきとの意見はもっともだが、一方で「どんどんやったらいい」と賛同する声もある。
■選手の気持ちにプラス
「相手はカチンとくるかもしれんし、負け続けたら叩かれるかもしれない。でも、こと阪神に限っては、大いに賛成です」
こう言うのは、1985年の阪神日本一メンバーである福間納氏だ。
「矢野監督は捕手出身で現役時代は冷静な印象があった。今のチームにはこれくらいのことが必要なのだと、割り切ってやっているはず。ただでさえ阪神の監督はプレッシャーが大きいのに、就任1年目からここまでなかなかできるものではない」
福間氏は、矢野監督の行動がチームに好影響をもたらしているとみる。
「一番は選手の気持ちの部分です。阪神はおとなしい選手が多く、厳しさを前面に出した金本監督時代はベンチが暗い印象で選手も萎縮しがちに見えた。でも今は明るいムードがあり、選手も出番がないと悔しがりはしても、ふてくされているような感じもない。これが戦力的には他球団に劣る阪神をAクラスに引き上げている要因になっていると思う。85年は川藤幸三さんがムードメーカーになり、ベンチはいつもお祭り騒ぎだった。選手は気持ち次第で能力を発揮できると思うし、これが来年以降にもつながる。金本前監督は就任3年目の昨年、新たに3年契約を結んでいたものの、最下位に転落し、2年の任期を残して退任した。阪神の監督は結果責任が大きい。結果が出ないと信念がブレがちだが、だからこそ思い切ってやってほしい。矢野監督はこの1年間、負け続けることがあっても、ハシャギ続けてチームを盛り上げてほしいですね」
昨7日のヤクルト戦は接戦を制して貯金2とした矢野阪神。ハタから見れば頼りなくも映る“軽さ”も、それを貫ければ個性にはなりそうだが。