打点トップも失策ワースト…燕・村上を支える意外な人物は
攻守の「温度差」は埋まるか。
プロ2年目で主軸を任されているヤクルトの村上宗隆(19)。先月29日には10代の4番打者として清原和博以来32年ぶりの一発を放った。
リーグ3位の15本塁打を誇る打撃力の一方で、11失策はリーグワースト。三塁手は開幕10試合目で一度“剥奪”されたが、今は一塁手と兼任する日が続いている。本人も「守備で迷惑をかけている」が口癖。いくらバットで結果を残しても、守りでミスをした日は反省の弁を繰り返す。当然、練習でも守備に時間を割いている。それでもお粗末な守備は、相変わらず宮本ヘッドコーチの顔をしばしば曇らせ、投手陣のリズムを狂わせる。
悩める19歳をフォローしているのは、意外にも“専門外”の石井投手コーチだった。きっかけは村上のエラーで投手が点を失い、村上から「すいません!」と謝罪されたことだったという。
「(村上に)『全然いいよ』と。『おまえのエラーなんか想定内なんだから。みんなが最初からうまいわけじゃないし、練習する姿を見て、ピッチャーが勇気づけられる。“あいつも頑張っているんだから”と思うようになる。おまえは打つことがみんなから期待されているけど、ゴールデングラブ賞を取る選手になれ』と言ったんですよ。(メジャー移籍した)岩村(明憲)だって最初はエラーをしていた(レギュラーになったプロ4年目に12失策)。うちで今までレギュラーを取ってきた選手ってみんな守備からだった。例えば真中(満)さん、(宮本)慎也さん、稲葉(篤紀)さん。飯田(哲也)さんも土橋(勝征)さんも、みんな守備がしっかりしていたから信頼される選手になった。だから村上にも『今度は(守備で)ピッチャーを助けてやってくれ』と言ったんです」