2度の同点劇に貢献 ヤクルト村上は高卒でもキャラは超大物
デカイのは体だけではない。
高卒2年目でレギュラーに定着したヤクルトの村上宗隆(19)。188センチ、97キロの大型内野手はチームトップの9本塁打を放ち、10代では金田正一らを抜いて球団最多を更新した。
8日の阪神戦では八回に同点犠飛、1点ビハインドで迎えた延長十二回には死球を受けながら盗塁。次打者の中村悠が二塁打を放ち、引き分けに持ち込む同点の本塁を踏んだ。
ルーキーイヤーは二軍で研さんを積み、昨季はファームで17本塁打(イースタン2位)。「清宮世代」のブレーク候補筆頭といわれているが、周囲が面食らったのは打撃力だけではなかった。
ある日の神宮球場。クラブハウスから出てきた村上は、親よりも年上の杉村巡回コーチのお腹を笑顔でさすっていた。突き出たウエストを19歳にイジられた61歳の名伯楽は「スイングスピードだったりパワーだったり、持っているものは素晴らしいものがある。アイツは大物になるよ」と太鼓判。タイミングを外されて打撃フォームを崩す村上に、体の軸がブレないスイングを反復練習させた。日頃から練習に付き添い、キャンプや早出練習で二人三脚を続けてきた信頼関係があってこその“悪ノリ”だった。