楽天則本の7年契約にメジャースカウト仲間は肩を落とした
プロ1年目から6年連続で2ケタ勝利をマーク。昨年がいまひとつだった(10勝11敗、防御率3.69)のは、今年3月に手術した右肘の影響だろう。
昨年から2020年の東京五輪に出たいと公言していただけに、ポスティングを利用してメジャー挑戦するとすれば、最短で国内FA権を取得する来年のオフだった。
しかし、3月に手術をしたことで、自分の肩肘や今後に不安を抱いたのかもしれない。球団と長期契約を結んだのは、結果として安定を求めたということだ。
日本球界で則本が残した数字は秀逸だ。最近はどのメジャー球団もデータ重視だから、肩透かしを食らったのは知人のスカウトの所属球団に限らないだろう。けれども、わたしは数字よりむしろ気持ちが大切だと思っている。米球界で活躍するうえで何より大切なのは、何が何でもメジャーで成功したいという本人の欲や強い意志だ。強い意志があれば壁に当たっても乗り越えられる。
わたしが球団にセットアッパーとして取るつもりならば面白いと報告したのは事実だが、則本がメジャーで投げたいという気持ちより安定を優先したとすれば、日本に残って正解だと思う。
(メジャーリーグ覆面スカウト)