習志野監督に聞く サイン盗み騒動はねのけたタフさの秘密
――個々の選手が自分の役割をまっとうできていると。
「その場その場で浮ついてしまったり、緊張する時もあるでしょうけど、同時にこの場面ではこういうふうに打とうと考えられる冷静さがあると思う。木更津総合戦では2死でかつ、ファウルで粘って2ストライクからつないだ。普段は粘りがあるような感じではなく、チャラっとしたところはあるんですけどね(笑い)」
――春のセンバツも、2戦目の星稜戦でサイン盗み疑惑による騒動がありながら、準優勝した。かつての明徳義塾は星稜の松井秀喜に対する5打席連続敬遠で大騒動に。動揺したのか、続く広島工戦は0―8の大敗でした。
「その話は知りませんでした。僕はあの試合(星稜戦)の後、客観的にあのときの状況を子どもたちに説明したんです。実は子どもたちは試合中に注意を受けていないし、私自身も注意を受けていないことを踏まえて、『そういう状況だよね。試合は完了していると考えているし、そういうふうにも言われている』と。一方、次の試合が3日後に控えている。『今の時代、いろんなことが耳や目に入ってくるだろうけど、そういう外部の環境はコントロールできない。これを受け入れて、次の試合に集中しよう』と」