習志野監督に聞く サイン盗み騒動はねのけたタフさの秘密
9日、登場する習志野(千葉)は春夏連続出場。センバツ2戦目の星稜戦でサイン盗み疑惑が勃発したが、選手は浮足立つことなく準優勝した。千葉大会では準決勝の木更津総合戦で九回2死から同点に追いつき、延長十一回2死から3連打でサヨナラ勝ち。粘り強い野球で甲子園に駒を進めた。選手たちのしぶとさはどこからくるのか。本当にサイン盗みはやってないのか。改めて小林徹監督(57)に聞いた。
◇ ◇ ◇
■「試合は完了している」
――千葉県大会では驚異の粘り強さを見せました。その秘訣は何ですか?
「なかなか理論的に説明するのは難しいですね。なんていうんだろ……。まず、子どもたちが自分の“元値”を知っていると思いますね。本塁打を50本、60本と打てる子がいれば、その一人で試合を決めることもできるだろうけど、ウチはそういうチームではない。自分たちがどういう野球をやるべきか、足元だけは見えているのかなと。打線がつながらないと野球にならないという。これをしなきゃという悲壮感ではなく、自分で決めようでもなく、自分の役割を果たして次(打者)につなげようという感覚を、この子たちは最後まで持っていられるんだと感じます」