習志野監督に聞く サイン盗み騒動はねのけたタフさの秘密
――当日、林監督の抗議を受け、「星稜高校もやっているでしょ」などと言ったのは、本当ですか?
「全くの誤報です。言い合いになったとか報じられたところもありますが、(林監督が)何の話をおっしゃっているのか、と思っていたので、私は一方的にお話を聞いていただけです」
――続く市和歌山戦では飯塚の左ひざに打球が直撃しても投げ続けたり、タフに戦かった。
「監督をやっている方が、この勝ちをなかなか説明できないとおっしゃることがあるじゃないですか。野村克也監督の言葉に『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』というものがありますが、これを実感しましたね。経験値という点では、決勝の東邦戦は完敗しましたが、子どもたちは明豊(大分)との試合が印象に残ったようです。左右の2人の投手が揃って140キロオーバーというのはなかなか経験できない。しかも、ウチの山内はいきなり先頭打者本塁打を浴びた。『とんでもないスイングをする』と(エースの)飯塚も言っていましたが、相手のレベルを受け止め、そのレベルを基準に野球をやり、動揺することなく勝てたことがすごく大きな経験になったと思います。僕は全力疾走するとか、チームの約束事以外は強制はしない。プレーする中で自分自身で感じ、修正、調整することがスポーツの面白さだと思っています」