競泳会場は無駄と杜撰な施設設計の象徴 年6.4億円赤字に
アクアティックスセンター
新国立競技場に次いで、東京五輪での新設の意義が問われているのがアクアティクスセンターだ。そもそも、隣接する辰巳国際水泳場が五輪施設として規模が足りず、増築でまかなうことが断念されたため新設された経緯がある。施設規模が大き過ぎて、維持費がかかり過ぎる点で、「帯に短しタスキに長し」を地で行く2施設の併存は、無駄と杜撰な施設計画を象徴している。
■6億4000万円の赤字と試算
●将来性=12点
会期中に設置されている1万5000席を大会後には、さらに費用をかけて5000席まで縮小する計画だ。年間6億4000万円の赤字と試算されている。隣接する辰巳国際水泳場の維持管理費も年間で5億円を超えており、スマートな計画とは言い難い。
●デザイン=22点
大会後の施設改修を意識したのか、建築の構造は内部空間に可変性を持たせるように4本の大柱で大屋根を支える設計となっている。建築工事も巨大な伽藍のごとく大屋根が吊り下げられたさまは壮観である。