著者のコラム一覧
森山高至建築エコノミスト

1級建築士。1965年生まれ。岡山県井原市出身。岡山県立井原高から早大理工学部建築学科に進学し、88年に卒業。斎藤裕建築研究所を経て、91年に株式会社アルス・ノヴァを設立し、代表に就任。04年に早大政治経済学部大学院経済学修士課程を修了した。建築家として関わった物件は1000件以上。長崎県の大村市協定強建替え基本計画策定など、公共建設物のコンサルティングに携わるほか、マンガの原作などの仕事も手掛ける。主な著書に「非常識な建築業界 『どや建築』という病」がある。

選手村は100点満点中70点 無難すぎるデザインがすでに陳腐

公開日: 更新日:

都有地が市場価格の9割引きで払い下げ

 本来ならお祭りムードの「おもてなし」イメージで盛り上がるはずの五輪選手村だが、キナ臭い話が満載である。五輪選手を招待した一時宿泊所を五輪後に分譲住宅として販売するという。五輪特別セールなのか、都有地が市場価格の9割引きという破格の値段で払い下げられたことにうさんくささを禁じ得ない。さらに、この開発はディベロッパーにとって、五輪宿泊施設の貸し出し賃料をもらった上で民間分譲するという“1粒で3度おいしい”破格の計画なのだ。

●将来性=16点

 施設維持費というよりも、この街区の価値の維持可能性といったほうがいいだろう。そもそも、晴海地区では、公共交通機関の慢性的な不足が問題視されてきた。五輪の時だけバスやタクシーの増発で対応したとしても、その後に公共交通機関が充実するかどうか、はっきりしていないのは不安である。

●デザイン=17点

 五輪の選手村ということで、本来なら現代の最先端デザインや機能を盛り込み、居住空間の斬新さを全世界にアピールする機会だったはず。しかし、五輪後の一般分譲を意識してか、無難過ぎるデザインに終始しており、既に陳腐化してしまっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇