カヌー&ボート会場は最もお粗末…観客席の一部は屋根なし
海の森水上競技場(カヌー、ボート)
五輪施設計画の経緯が最もお粗末なのが、「海の森水上競技場」だ。小池百合子都知事が2016年、復興五輪をキャッチフレーズに、ボート会場を海の森から東北の宮城県・長沼へと変更することをぶち上げたが、あっさり取り下げ、元のもくあみとなった。筆者は当時、最適地として戸田ボート競技場にも近い埼玉県の彩湖か千葉県の手賀沼を推していた。
■大会後の年間収支1.6億円の赤字
●将来性=11点
大会後の年間収支は1・6億円の赤字。本来、ボート競技場は維持管理に不安のないはずの施設である。明治時代に日本にボート競技が導入されて以降、大学や企業にも伝統ある倶楽部が数多く存続する文化施設のひとつだからだ。欧州発祥で人気が高く、競技人口も多い。前回1964年の東京五輪の会場だった戸田ボート場には、各ボートチームの艇庫や倶楽部ハウスが林立し、さながらサロンのよう。旧施設のままだが、年間収支は1000万円の黒字だ。
●デザイン=12点