力走ならぬ力歩 競歩の実況中継はどうにも間が抜けている
……そういえば、今回は世界陸上独占中継民放某局、滑舌のよいベテランアナウンサーだったが、やっぱり、「金メダルへ最後の」でちょこっと間があって「歩きですッ」だったもんなあ。
競歩の選手の力走、じゃねえ「リキホ」。ええい、入力したって変換しねえぞ。広辞苑にも「力歩」なんて単語は載ってねえもんなあ。鈴木雄介の「力歩」、気温30度を超える猛暑の中、50キロも歩かせられた気分を、あんた想像できますカ?
オレは次のように想像する。
「おめでとうございます。よく、は(じゃねえ)、歩きましたね。達成感は?」
「ないです」
「途中、給水の時に立ち止まってしまって、一瞬棄権するんじゃないかと心配しました」
「内臓にきてたので、とにかく死にたくなかったので、止まって飲みました」
「スタートした46人中、なんとかゴールできたのは28人、完走(じゃねえ)完歩率60%でした」
「ゴ~モンです」
「歩きながら何と闘っていましたか?」
「ええいもうどうにでもなれって、走り出したい欲望と闘ってました」
「夜中のレースは異例でしたが?」
「夜中に歩き回るもんじゃないです」