貴ノ富士の「強制引退」に尻込み…千賀ノ浦親方の複雑胸中
触らぬ「貴」にタタリなし、だ。
2度にわたる暴力事件を起こし、相撲協会から自主引退をうながされている貴ノ富士(22)。本人は「相撲をやめたくない」と9月27日に独断で会見を行い、以後、対応はすべて代理人の弁護士に任せている。師匠の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)も、「連絡が取れない」と嘆いている状況だ。
このまま貴ノ富士が意地を張るようなら、解雇は必至。自主引退ならもらえるはずの退職金もパーである。こうした場合、師匠が打てる手のひとつが「強制引退」だ。
大相撲では親方が本人の同意を得ず、自らの判断で引退届を協会に出すことが過去、何度かあった。素行が悪い力士や、親方とトラブルになった力士が主な対象だ。
貴ノ富士をめぐっては、ファンも非難囂々。ネットを中心に「あまりにワガママ」「とっとと解雇した方がいい」という意見も少なくない。仮に親方が本人に無断で引退届を出したところで、責める声はほとんど出ないはずだ。
が、千賀ノ浦親方は「引退届は出しません」と話している。弟子を悪者にしたくない、本人が納得した形で円満引退してほしい……という親心だろう。