貴ノ富士の「強制引退」に尻込み…千賀ノ浦親方の複雑胸中
■貴乃花部屋の例もあり…
ある親方は「そうした気持ちもあるでしょうけど」と、こう続ける。
「厄介事を避けたいというのも事実ではないか。たとえば、2014年に貴乃花に勝手に引退届を出された旧貴乃花部屋の貴斗志です。地位確認の裁判では貴乃花部屋で暴力が常態化していたこと、親方が弟子を血だらけになるまでボコボコにしたことなどが、次々に証言された。もし、貴ノ富士を強制引退させたら、恨みの矛先が親方にも向き、貴乃花の二の舞いになりかねない。それならば協会任せにしていた方が安全ですからね」
千賀ノ浦部屋では貴乃花部屋のような暴力はなくとも、貴ノ富士は「障害者という言葉はもともと部屋にいた兄弟子が使っていた」と、会見で暴露していた。旧貴乃花部屋勢が千賀ノ浦親方を無視していることは公然の事実だが、裏を返せば彼らの勝手を許している親方の統率力のなさでもある。そうしたもろもろが表沙汰になるのは親方も避けたい。
やぶをつついて蛇を出す必要はないということだ。