白い糸を引くように真一文字に吹っ飛んで勢い増す“快速球”
森下暢仁(明大)
明大・森下暢仁投手のピッチングを、実は高校生の時も受けている。大分商3年の春だ。
甲子園では投げていないものの、当時すでに全国有数の本格派の評価を得ていた森下投手だったが、私がブルペンで受けた時は、まだまだ幼いな……と思ったのを覚えている。
投げるボールは、まさに「快速球」。
白い糸を引くように、真一文字にこちらに吹っ飛んできて、ホームベースの上で、これでもか! っと勢いを増す。
PL学園当時の前田健太投手(現ドジャース)の快速球がそのまま重なった。
半面、見せてやろう! とする意識があふれ、それが力みや気負いになって球道が暴れると、いら立ちが顔や態度に出て、なかなか修正できない。
よくある本格派高校生のもう一つの<顔>を持っていた。
明大に進んでも、昨年まではそんな自分をコントロールしきれない一面が顔を出すことが時々だったが、最終学年・4年生になったこの春、森下暢仁が変わった。