渋野は逆転女王なら7年だが…複数年シードに潜む落とし穴
名誉だけではない。
女子ゴルフは前週の大会で渋野日向子(21)が国内4勝目を挙げ、賞金女王争いは混戦となった。
1位鈴木愛(25=1億5302万円)、2位申ジエ(31=1億3803万円)、3位渋野(1億3791万円)の戦いは今週の最終戦(ツアーチャンピオンシップ・リコー杯)決着。多くのファンが注目している。
賞金女王になれば特典として、翌年から3年間のシード権が得られる。ツアープロにとって海外挑戦のチャンスが広がるうえ、スイング改造にじっくり取り組めるなど、ノドから手が出るほど欲しい複数年シードが約束されるのだ。
渋野は今季、公式戦のワールドレディスがツアー初優勝だった。賞金女王なら公式戦1勝の特典がプラスされ、さらに5年シードになる。最終戦に勝っての逆転女王なら、公式戦2勝で複数年シードは7年まで延びる。8月の全英女子に優勝した渋野は来季の米ツアー参戦権を得たが、「まだ早い」といって来年も国内ツアーを主戦場とする。
海外試合は、全英優勝の資格で出場できるメジャー5試合や推薦枠(6試合)に限られる。米ツアーの本格参戦は、早くとも2021年以降になる。仮に渋野が7年の複数年シードを持ったまま米ツアーに専念すれば、国内シードは毎年減っていくが、米ツアーを撤退してもシード権が残っていれば国内のシード選手に戻ることができる。