著者のコラム一覧
織田淳太郎スポーツライター

1957年生まれ、北海道出身。スポーツライターとしてノンフィクション、小説の両分野で幅広く活躍。審判を主人公にした小説「ジャッジメント」のほか、「トレーナー」「捕手論」「コーチ論」「巨人軍に葬られた男たち」「もう一度あるきたい」「論争・長嶋茂雄」などの著書がある。

パ・リーグのDH制導入のきっかけになった米国人記者の指摘

公開日: 更新日:

 高井さんに特別な目を向けていた米国人ジャーナリストがいた。SPN特約記者を務めていたネイト・マイヤーズである。すでにメジャーのア・リーグでは、指名打者制(DH制)を敷いていた。マイヤーズはそれを引き合いに出し、「プロ野球もDH制を導入すべき」と主張。さらに、代打要員という理由だけで460万円に抑えられていた高井さんの年俸に疑問を呈しながら、「高井選手と“指名打者制”」と題する記事でこう強調している。

<さしずめ、高井選手あたりは屈指の候補者である>

 パ・リーグがDH制を取り入れたのは、マイヤーズがこの記事を書いた翌1975年だった。結果を残しても年俸が安く、依然として代打要員という矛盾。米国人ジャーナリストが発信した先鋭的な指摘が、日本のDH制導入の大きな引き金になったこと自体、「一振り」に生きた高井さんの存在と無縁ではない。

 もっとも、DH制の導入に伴って皮肉なことも起きた。76年4月の日本ハム戦で、サヨナラ打となる20本目の代打本塁打を記録したのを境に、高井さんの代打本塁打が以後、4年にわたって途絶えたことである。代打要員から指名打者への昇格が、すべての理由だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議