理詰めの指導で即効性期待 大坂なおみと新コーチの“相性”
「サーシャにしてもジェンキンスにしても、戦略家というより、大坂のやる気を引き出すことにたけた指導者だった。大坂はグランドスラムを2つ勝っているわけだし、そろそろステップアップしたいのでしょう」
こう言うのはスポーツライターの武田薫氏。大坂なおみ(22)が新たなコーチとしてウィム・フィセッテ(39)を選んだことに関してだ。
フィセッテはこれまでにクライシュテルス(36)、アザレンカ(30)、ケルバー(31)、ハレプ(28)、クビトバ(29)らを指導。いずれも4大大会を制した実力者だから、敏腕コーチには違いない。
「データにこだわり、数字や確率を利用して具体的な助言ができるコーチです。相手がこれくらいの確率でこういう戦術を取ってくるから、バックハンドを攻めろとかね。経験主義に基づき、即効性がある。大坂は東レとチャイナ・オープンに連勝して調子上向き。なので、年明けの全豪オープンから狙おうという人選でしょう。あくまでも即効性を期待した人事だと思いますよ」(武田氏)
実績ある指導者に白羽の矢を立てた理由は分かったが、それならひと皮むけるかというと、「フィセッテは成熟した選手に合うと思う。壁にぶつかって、結果を出せないでいる大人の選手には効果的でしょう。けれども、大坂はそうじゃない。まだ若いうえ、モデルをやったり、ボーイフレンドとのツーショットを自身のインスタグラムにアップしたり……かなり個性的だし、自由に生きています。それが彼女の魅力でもあるのですが、理詰めの指導が合うかどうかは未知数ですね」とは前出の武田氏だ。