観客443人の過去 ラグビーブームの陰で問われる運営の知恵
今季のトップリーグは5月9日の最終節で終了するが、6月27日には、日本代表が昨年のW杯で4位に入ったウェールズとテストマッチを行うことが決定。7月のイングランドとの2試合を含めて、急増した“にわかファン”を引きつけるコンテンツが上半期は出揃った。W杯を戦った選手たちが唱えた、「ブームを文化に定着させる」試みは成功しつつある。
しかし、下半期は依然として未定のままだ。今秋からは、清宮克幸・日本協会副会長が提唱したプロリーグではなく、従来のトップリーグに、下位リーグに属する8チームを加えた24チームで戦う案が浮上している。だが、24チームをひとつに集めるのか、それとも複数のグループに分けるかなどは具体化しておらず、「下位リーグとトップリーグ上位チームが戦えば大差がつく。それが普及や強化につながるのか」(チーム関係者)という懸念も出ている。
トップリーグは過去に参加チームを2つに分けてファーストステージを戦い、成績順にもう一度チームを2つに分ける「2グループ、2ステージ制」を導入したことがあった。しかし、ファンに「わかりにくい」と不評で、地方開催の下位チーム同士の試合では観客が激減。14年のセカンドステージでは、NEC対サニックス戦で観客443人という珍記録まで生まれている。