観客443人の過去 ラグビーブームの陰で問われる運営の知恵
昨年のW杯で湧き起こったラグビーブームが年を越しても続いている。
11日に国立競技場で行われた大学選手権決勝は、早稲田大学が明治大学を45―35と破って11年ぶりの優勝を果たしたが、詰めかけた観客は5万7345人。元日のサッカー天皇杯決勝とほぼ同数で、新装なった国立での“ラグビーデビュー”を満員で飾った。
翌12日にはトップリーグが開幕。8試合が6会場で行われ、神戸製鋼対キヤノン戦の2万3000人を筆頭に、観客数を5桁に乗せた試合が5試合。合計で11万6000人超の観客を集めた。熊谷ラグビー場で行われたパナソニック対クボタ戦も観客が1万7000人を超えたが、両者が昨季の開幕戦で顔を合わせたときは4199人。一気に1万3000人も増えた背景には、五輪競技の7人制に専念するため「2試合限定」でトップリーグに出場する福岡堅樹や、「笑わない男」稲垣啓太らW杯代表組への高い関心があった。
ちなみに昨季の開幕節8試合の合計観客数は8万3000人あまり。4年前の“五郎丸ブーム”のときには一般販売するチケット枚数の見積もりを誤り、完売にもかかわらず空席を出す運営の拙さで、開幕節8試合で6万7000人しか動員できなかったが、日本ラグビー協会もさすがに同じ轍は踏まなかった。