メディアが取り上げる G菅野の投球フォーム改造は至極当然
巨人の菅野智之(30)が投球フォームの改造を施し、評論家諸氏がさまざまな解説をしている。
確かに、見た目は変わった。フォームの始動時に両手を右肩の方向に引き上げてから、左足を上げていく。ひねりを加える動作を野茂英雄になぞらえ、「トルネード」と称する声もあるようだ。
フォーム改造は、軸足となる右足に体重を乗せて、しっかりタメをつくるのが狙い。始動時にこれまでとは違った動きを取り入れているから、大幅なモデルチェンジをした印象になるが、本人にそんな意識はないだろう。キャンプ中に話をした時は、「セットポジションはどうする? いっそのことセットでも両腕を後ろに持っていったらどうだ?」と冷やかし半分に言ったら、笑って「いやいや、セットは今まで通りにやります」と言っていた。メディアは「トルネード」だ、「大胆なフォーム改造」だと騒ぐものの、菅野本人からすれば、そんな大げさなことではないのである。
■現状維持は退化と一緒
昨年は腰痛で3度の登録抹消、勝ち星は11にとどまった。その反省からいろいろと考えたのは事実だろうが、菅野クラスの投手になれば、投球フォームの修正は日常的にやっている。毎年、同じフォームで投げるなんて意識では、球界のエースは張れない。現状維持は退化と一緒で、常に進化を求める。敵はマンネリ。そういう意識があるからこそ、トップに立ち続けていられるのだ。