ロッテ佐々木は素晴らしい 掛け値なしの逸材だけに危ない
ロッテのドラフト1位新人、佐々木朗希(18=大船渡)を見た。
20日のブルペン。立ち投げでオール直球の40球だったが、なるほど確かに、迫力のあるボールを投げていた。
私はブルペンをあまり重視しない。プロに入ってくる選手は、投球練習ではみな一級品。打たれるプレッシャーがないから、誰でも気持ちよく腕が振れる。立ち投げは特にそうで、コーチ・監督時代は、ブルペンでのボールに惚れすぎないように、あえて投手の真正面や真後ろからは見ないようにした。投手の斜め横から見るくらいでちょうどいい。過大評価しないためにも、その程度の距離感が必要なのだ。
佐々木の投球練習も、そんな「定位置」から見たのだが、適度な距離感を保っても、やはり、素晴らしい。素晴らしいから、これはちょっと、危ないなとも思った。
多くの評論家がベタボメしているように、佐々木が底知れぬ可能性を秘めているのは確か。極上の素材を前にして、腕をふるいたくなる料理人と同じで、コーチもなんとか自分の手で、と思うものだ。それが、危ない。