球界の嫌われ者ピート・ローズを利用するトランプの思惑
米国民主党の大統領候補は、3月3日の「スーパーチューズデー」を経て、前副大統領のジョー・バイデンと上院議員のバーニー・サンダースに絞られた。ただ、現時点で両者の争いに決定打はなく、民主党の候補者選びは長期化することが予想されている。
一方、現職のドナルド・トランプは、米国内の世論や国際社会の反発を受けながらも、支持者からの信頼は底堅い。選手の間では共和党と民主党の支持が分かれるものの、経営者の4分の3近くが共和党を支持している大リーグ関係者の中で、誰よりもトランプの再選を願っている人物がいる。ピート・ローズだ。
ローズが歴代最多となる通算4256安打を記録し、「チャーリー・ハッスル」の愛称で親しまれながら、監督時代の1989年に野球賭博への関与が発覚したため、球界からの永久追放処分を受けたことは周知の通りだ。球界追放後のローズは前コミッショナーのバド・セリグに20年以上にわたって球界への復帰の嘆願書を送っており、2015年にロブ・マンフレッドがコミッショナーに就任すると、同様に請願を行っている。