G菅野に二者択一の苦悩 五輪1年程度延期でメジャーor侍J
「1年でも早く行きたいでしょう」
これまでは14年に右肘靱帯の部分損傷で登録抹消された以外は大きな故障はなかった。だが、昨年は腰痛のため3度の登録抹消を経験。昨年10月に30歳を迎え、「年を取って体が硬くなってきた」「今まで動いたところが思うように動かない」など肉体の変化を口にするようになった。
OBで元巨人投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言う。
「大リーグ球団は契約の際、日本以上に年齢にシビア。菅野が体の変化を口にするのは、そういう兆候があるから。これまでかたくなにポスティングシステムでの移籍を認めてこなかった巨人が、山口俊の移籍を機に、せっかく軟化しているなら、1年でも早く海を渡りたいのが本音でしょう。五輪が今年開催されるなら、エースとしてフル回転したはず。でも、たった6チームの出場で半分がメダルを取れる五輪のために、大リーグ挑戦の夢を1年先延ばしするとは考えにくい。いずれにせよ、今年五輪→来年大リーグという“両取り”は難しくなったと思います」
昨年の契約更改時、メジャーへの気持ちを聞かれた菅野は「もちろん、そういうものは変わらず持っている。でも、そこを見据えて来季を戦うのはチームに失礼。日本一を目指して、その後にいろいろ話は出てくると思う」と夢は変わっていないと明かしている。
菅野は24日、中日との練習試合に登板。2回を投げて3安打1失点。最速151キロをマークし、3三振を奪った。
開幕が当初の4月10日からさらに同24日に延期になったことで、難しい調整を強いられる。「今開幕してもいい。体的にはいい調整ができている。24日と決まったのでベストを尽くす。不安はない」と自信たっぷりだった。
来年に延期となった五輪を選んだ場合は巨人に残留。来年メジャーに挑戦するなら五輪は断念――。菅野はいずれ、さらに難しい選択を迫られることになる。