ドラ1候補早大・早川 割れる巨人の証言とネット裏の評価
■「怖さを感じない」左投手
今秋のドラフト1位候補、というより、全体でもナンバーワン候補の呼び声が高い最速151キロ左腕の評価が割れている。早大の主将でエース・早川隆久(4年)のことである。
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早大は先月22日、巨人二軍とプロアマ交流戦を行い、先発した早川が初回2死から3連打を浴びて2失点。5回9安打2四死球4三振4失点でマウンドを下りた。最速は147キロだった。
センバツ甲子園が中止になったこともあり、この試合には8球団24人のスカウトが集結した。「状態は良かった」と振り返った早川は、直球が通用するかを試すため、序盤は封印していた変化球があったという。そんな事情があるにせよ、ネット裏には「何で打たれるんだろう……」と首をかしげるスカウトも多かった。
この試合で巨人のベンチに入っていた山崎章弘巡回打撃コーチ(58)に「プロ目線の評価」を聞いた。なお、山崎コーチの次男・福也は2014年のドラフト1位でオリックスに指名された左腕である。「投手は1試合で変わります。あくまであの試合の印象ですが……」と前置きした上で、こう指摘した。
「最初からドラフト1位候補ということは聞いていましたから、そういう目で見ていました。確かに左投手で145キロ以上出るし、バランスもいい。どの球団も左投手は何人いてもいいと言いますから、右よりプラスアルファがあるのは確か。気になったのは、山下(巨人二軍の3番)などの左打者が迷わずにフルスイングしていたことです。145キロ以上出る左投手と対戦すると、普通は腰が引けたり、差し込まれたり、泳がされたり、崩されるもの。ウチの左打者にはそれが見られなかった。まとまっている印象ですが、あの日に限っては、打席で怖さを感じなかったかもしれません」
別の巨人二軍関係者はこう言った。
「はっきり言って、ドラフト1位の目玉投手という感じはしなかった。球の勢いだったり、迫力だったり、そういうものがなかった。例えば昨年の1位入団で騒がれた佐々木朗(ロッテ)や奥川(ヤクルト)のようなスケール感はなく、2番手で投げた右投手の柴田の方がキレのいい球を投げているように見えた。でも早川は打撃が目立ったね。野球センスは感じた」