FA権取得の日数解釈問題 選手会より経営者側が折れる根拠
2日から練習試合が始まり、19日の開幕から1カ月間の日程も発表されたプロ野球。しかし、課題は山積みだ。試合数減少による年俸の削減に加え、FA権取得に必要な出場選手登録日数の問題もある。
特に後者はFA権の取得と密接している。通常なら出場登録日数は145日で1年と換算。この年数が高卒入団は累計8年、大卒、社会人は7年で国内FA権を取得する。海外FA権取得はいずれも9年だ。
今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れ、例年190日あったシーズンが141日になる見込み。これでは全試合に出場したとしても、1シーズン分にカウントされない。
そのため選手会は今季に見合った換算法を求めているのに対し、経営者サイドであるNPBは例年通りを訴えている。両者の溝は大きいように見えるが、あるNPB関係者は「12球団は必ずしも一枚岩ではない」と、こう続ける。
「巨人や阪神、ソフトバンク、楽天などはFA補強に熱心。彼らにすれば、目当ての選手には早くFA権を取得してほしいので、『いつも通りの計算式で』と主張する理由がない。それにこのまま押し問答が続いて開幕が再延期になるのは、どの球団も避けたい。結局、経営者サイドが折れることになるでしょう」