バレンティンは不要論払拭 ソフトBが図る“金満”リスク管理
“新主砲”として期待が大きい。
ソフトバンクの紅白戦で快音を響かせているのが今季から新加入のバレンティン(35)だ。28日は白組の「4番・左翼」でスタメン出場。三回裏、石川のボールを左翼席に実戦初のソロ弾を放り込んだ。
ヤクルトを自由契約になり、2年総額10億円で入団したが、獲得当初は「不要論」が噴出した。
バレンティンは昨季FA権を取得。今季から日本人扱いになるがゆえに外国人枠に縛られることがなくなり、「若手の出場機会がさらに減る」といった声は球団内外で少なくなかった。
ソフトバンクにはデスパイネ、グラシアルという強打のキューバ人助っ人もいる。彼らのポジションは主にバレンティンと同じDHと左翼だ。そのため、バレンティンの獲得は「3人いれば、誰かがケガをしたときでも戦力低下が避けられる」という“保険的”な意味合いもあった。
ところが、帰国中のデスパイネとグラシアルは新型コロナウイルスの影響で来日のメドが立っておらず、6月19日の開幕スタメンは絶望視されている。入国できても2週間の隔離生活を経なければ、練習試合にすら出場できない。そこでバレンティンだ。
「ヤクルト時代はサボり癖があったようだけど、意外にマジメですよ。嫌いだったと聞いているランニングやダッシュの練習も率先して行っている。入団1年目だから猫を被ってる? その可能性は否めないけど、バレンティンは自分が年間本塁打記録を塗り替える前に55本を打った王球団会長を尊敬している。憧れの人のチームに入れたことで心境の変化があたのかもしれない」(球団スタッフ)
金満だからこそのリスクマネジメントか。