コロナ禍で辞退者続出…今季MLBは“棚ボタ”の日本人バブル
感染した平野、脳振とうの田中はともかく
日本人選手も同様ではないか。レッズ・秋山(32)、レイズ・筒香(28)、ブルージェイズ・山口(33)ら渡米1年目の選手は、定位置確保に向けたアピールが必要。コロナに感染したマリナーズの平野(36)や打球が頭部に当たって「軽度の脳振とう」と診断されたヤンキースの田中(31)はともかく、ほとんどの選手が開幕からプレーする意思表示をしている。
今季の開幕投手が有力視されるカブスのダルビッシュ(33)は「今年は自分のためというより周りのためという(気持ちの)方が強い」と話した。
■休むことに抵抗
日本人はよく、勤勉といわれる。程度にもよるが、めったなことでは仕事を休まない。というか休むことに抵抗があるのだ。なにより家族優先の米国人とは育った社会や文化が違うわけで、多くの選手が今季、当たり前のようにプレーするのはそんな事情も大きい。
スポーツライターの友成那智氏がこういう。
「試合数が削減されても、年俸が大幅にカットされても、今季の日本人選手が手を抜くとは考えにくい。むしろ危機的状況だからこそ、全力でプレーする選手は少なくないと思う。感染拡大が続く米国の現況を見る限り、開幕後もコロナ禍に見舞われる選手が続出する可能性はあります。開幕後も各球団の主力選手が欠場を申し出るケースも考えられる。チーム内での定位置確保を目指す秋山ら新人3人にしても、同じチームのライバルが離脱するかもしれない。主力からくしの歯が欠けるように離脱すれば、メジャー全体のレベルは低下する。日頃からマスク着用や手洗いなど、米国人などと比べて感染予防に努めている日本人選手は結果として棚ボタで好成績を残す可能性はあります」
異例のシーズンとなる今季は、大谷を筆頭に日本人選手の活躍が全米を沸かせるかもしれない。