巨人と阪神が“補強”場外2連戦 ドラ1「糸井2世」も競合必至
グラウンドで歯が立たず
前出の球界関係者が続ける。
「ただし、阪神のドラフト戦略はとにかくぶれまくる。巨人が先手を打ってきたことで、『巨人と競合するならやめておくか?』『無難に一本釣りできる選手にするか?』となりかねない球団。巨人はそんな阪神の体質を知っているから、揺さぶりというか、『うちが1位指名するんだから、佐藤から降りてくれ』という狙いで、あえてこの時期に明かしたのではないか。足元を見られた阪神からすれば、地元の佐藤のことは、相思相愛だと思い込んでいるフシがあった。しかも、巨人は投手を1位で指名すると思っていたようです。不意打ちのように“恋人”を指名すると言われてしまったようなもの。阪神はこれから議論を余儀なくされるだろうし、グラウンド内外で巨人にやられっ放しという印象です」
確かに阪神は近年、まるで巨人に歯が立たない。対戦成績は2018年が8勝16敗1分け、昨季が10勝15敗。今季もこれまで2勝8敗と一方的だ。07年を最後に昨季まで12年連続で勝ち越せておらず、「伝統の一戦」とは名ばかりの“主従関係”となっている。
にもかかわらず、阪神は現在2位で貯金1。巨人には負けても、他球団からせっせと白星を稼いでいるためだ。つまり、巨人だけを浮上させ、結果的に優勝に手を貸しているようなもの。グラウンドではもちろん、ドラフトでも相手にされていないのが実情だ。
さらにこのオフは両球団がFA戦線でも対決するかもしれない。関西出身の2人、国内FA権を持つ京都出身の中日・大野雄、兵庫出身のヤクルト・山田哲が、市場に出る可能性があるからだ。
巨人が狙う大物2人の獲得に、お膝元の阪神が参戦すれば、モロかぶりする可能性は高い。
「大野雄も山田哲も阪神の地元・関西出身とはいえ、巨人と本気で取り合ったら、金銭面はもちろん、環境面など、どこを取っても阪神は巨人にかなわない。惨敗する可能性は高いでしょう」(別の球界関係者)
オフのストーブリーグは、ドラフト、FA戦線の番外2連戦。今季限りでの引退を表明した藤川球児は会見で、「辞めていくオレに負けているようじゃ巨人に勝てない」「頑張っているけど、巨人を倒すにはそれだけじゃ足りない」「誰がなんと言っても向かっていかなきゃいけない」と巨人に対するライバル意識を口にしたが、残念ながら今の阪神はグラウンドの中でも外でも、分が悪そうである。