田中と筒香を巻き込む因縁 ヤンキース初代オーナーの亡霊
岩村や黒田も
2球団の因縁は2年前の2018年、ヤンキースのエース・サバシアがレイズにぶつけた報復死球がきっかけで始まったともいわれるが、「とんでもない。08年にはレイズの岩村がヤンキースのダンカンに殺人スライディングを食らったし、14年には両軍が一触即発のムードの中、ヤンキースの黒田が最前列で怒鳴り声を上げている。対立の根っこは98年にタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)が誕生したことにあるのです」と、特派員のひとりがこう続ける。
「そもそもフロリダ州タンパは、ヤンキースのキャンプ地で、初代オーナーのジョージ・スタインブレナーの自宅のある場所。言ってみればヤンキースの根城のようなところです。そのタンパと目と鼻の先、橋でつながっているセントピーターズバーグに新球団のデビルレイズが誕生した。スタインブレナーは自分の庭を荒らされたと感じ、とにかくデビルレイズに負けることだけは許さないとフロントや現場に厳命した経緯がある。98年からワールドシリーズを3連覇、松井秀喜がいたころの指揮官のジョー・トーリは、デビルレイズ戦に負けるとオーナーの機嫌が悪くなるとこぼしていた。なんでも電話で怒鳴り散らされたこともあると聞きました。チーム内で『ビッグ・ボス』と恐れられたスタインブレナーの発言は神の声、絶対でした」