メジャー1年目同士だった悩める黒田博樹との長電話の中身
メジャーはツーシームやカッターといった動く速球が主体ですが、フォーシームといわれる回転の奇麗なストレートを投げる投手はあまりいません。だからこそフォーシームは意外と効果的ではないかと、そんなふうに考えた。打者が外角低めに沈むツーシームを待っているところに、球筋が素直でむしろ浮き上がって見えるフォーシームを投げ込めば面食らうのではないかと。
■有効なフォーシームを提案
案の定、メジャーでフォーシームは効果的でした。打者は低めに沈む軌道に合わせてスイングしてくるから、同じコースへフォーシームを投げ込むとバットはボールの下を通過して空振り、もしくはボールの下っ面をこすってファウルになるんです。
打者に外角低めのツーシームだけではない、同じコースにくるフォーシームもあるということを認識させられたらしめたもの。投球の幅がグンと広がり、スライダーもこれまで以上に有効になりました。そうしたことを黒田に伝えると、電話の向こうでうなずいているのがわかりました。