プロ野球は観客動員緩和もファンがソッポ…五輪と共倒れか
プロ野球DeNAと神奈川県などは政府の了承の下、10月30日~11月1日の阪神3連戦で観客動員の制限緩和の実証実験を行った。
政府は現在、大規模イベントの観客動員を定員の最大50%以内に制限中。DeNAはその観客上限を30日は最大80%、31日は90%、1日は100%と段階的に引き上げ、球団は動員を促すため、チケット代を最大35%引きにするなどしたが、販売可能な約3・2万席に対し、30日は約1・66万人(51%)、31日は約2・45万人(76%)、そして1日は約2・79万人(86%)にとどまった。
政府にとって今回の実験は、来夏の東京五輪開催に向けたモデルケースであり、プロ野球としても入場料収入の大幅減に悩む中、通常開催を行うためのテストでもあった。とはいえ、コロナ禍は終息の兆しが見えず、DeNAファンからは、「さすがに満員は怖い」「実験に利用されたくない」との声が出るなど、試みは失敗に終わったと言っていい。
プロ野球は9月19日から入場制限を最大50%に緩和したものの、その上限に達しない試合が山ほどある。12球団屈指の人気球団である阪神でさえ、本拠地の甲子園で閑古鳥が鳴くほどだ。先日、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した「2020年スポーツマーケティング基礎調査」によると、プロ野球ファンの人口は2462万人で、昨年から223万人も減っている。