1983年に始まった日本サッカー界初「茶話会」に思い馳せる
■朝方まで激論を戦わせることも珍しくはなかった
話を「茶話会」に戻そうーー。
サッカー好きの輪は次第に広がっていき、前述のベテラン記者以外にNHKの松浦氏、日経新聞の武智氏、報知新聞の佐々木氏、日刊スポーツの黒木氏、荻島氏といった中堅や若手の記者も加わった。
彼らは、午後6時くらいになるとJSLの事務局に足を向け、弁当を食べながら会議(雑談)がスタートする。その後は近くの蕎麦屋、寿司屋、居酒屋などに場所を移して夜更け、いや朝方まで激論(理想論)を戦わせることも珍しくはなかった。
そんな中、生まれたアイデアには次のようなものもあった。
「たとえばプロチームになった場合の年間収支はどのくらいになるのか、入場料収入とスポンサー収入のバランスはどうすればいいのか、地方競技場で主催ゲームを行った場合の運営方法はどうするのか、企業スポーツから脱却するために企業名を外すことは出来るのか、といった話題が上った。そのほとんどが、Jリーグを具現化していく過程で話し合われた問題だった」(木之本氏の著作「日本サッカーに捧げた両足」から抜粋)