オリ2位・元謙太 ドラフト漏れたら即引退の覚悟で肉体改造
■特製きな粉もち
母の見立て通り、小学3年で野球を始めると、最終学年ではドラゴンズジュニアに選ばれるほどに成長した。元の発育には淑美さんの実家も一役買った。
「父はお餅の工場を経営しているんです。謙太はもともと食が細かったんですけど、満腹の時でも『お餅なら食べられる』と言うので、実家からもらった特製のきな粉餅を与えていました。お餅もきな粉も子供の成長に良い成分がたくさん入っていますからね」(淑美さん)
小・中学生の頃は体重増に「苦戦」していたが、高校時代は意識が違った。前出の今井総監督が言う。
「元とは中京高に行った後もやりとりしてるんだけど、高校2年の夏が終わった時に言ったんです。まだ75キロだったから、『3年になるまでにウエートトレーニングをして体重を増やせ』と。そしたら本当に8キロも増やしてきたから驚きましたよ。素直な性格で、チャラついたところがない子ですよ。指示したことをきちんとやってくれます」
この背景には元の覚悟があった。