日大アメフト“悪質タックル事件”から2年半でイメージ払拭
因縁の対決が実現した。
アメリカンフットボールの東西大学王座決定戦(甲子園ボウル)が13日、甲子園球場で行われ、日大は24―42で関学大に敗れた。
2018年5月、両校の定期戦で起きた「悪質タックル事件」。ボールを投げ終え、無防備だった関学大のQB奥野(当時2年生)に、日大の選手が背後からタックル。奥野は腰、膝を負傷し、これが後に社会問題に発展した。奥野は4年生になり、この日QBとして出場。「16年間アメフトをやっていて全てぶつけようと思った」と関学大の3連覇に貢献した。
一方、過去に21度の優勝を誇る日大は事件がきっかけで失墜した。タックルを指示したとされる監督、コーチはクビ。アメフト部はペナルティーとして18年の公式戦出場資格停止処分を受け、1部下位リーグに降格。日大アメフト部OBが言う。
「米国留学の経験があって日大OBではない元立命大コーチの橋詰監督を外部招聘したところから再建は始まりました。それまでの監督、コーチを含めた上下関係、エンドレスで心身を追い込むトレーニングなどは廃止。ポジションごとに分かれ、2時間前後の練習を集中してやることや学生主導でチームを運営するようになりました。橋詰監督は人間性やクリーンなプレーを徹底することを大事にする。その辺が大きな変化でしょうか」
3年ぶりに戻った大舞台でも、関学大の選手が倒れれば、日大の選手は手を出して起こした。日本一には届かなかったが、2年半前の「イメージ払拭」には成功したようだ。