柔道・阿部一二三&詩 兄妹の相乗効果で“激戦区日本”を突破
妹の阿部詩も、国内激戦区といわれた52キロ級でライバルたちを抑えて代表切符を手にした。東京五輪で同級の補欠に入った志々目愛は17年の世界選手権、そしてグランドスラム3大会で優勝。48キロ級に転向した角田夏実も、52キロ級時代は16年グランドスラム・東京、18年ワールドマスターズ、18年アジア大会で金メダルを獲得している。誰が代表になってもおかしくなかった戦績の持ち主たちだ。
「一二三も詩も、相手を得意とする担ぎ技の型にはめ、きっちり投げ切る柔道ができる。こうした柔道は外国人選手に多い変則的なスタイルに強い。休まず攻め続けるので、指導の差で負けるという心配も少ないでしょう。きょうだい仲も良いので、メンタル面での相乗効果も見込めます。阿部詩はかつては畳の上での所作も兄を参考にしていたほどですからね」(柳川氏)
一二三は丸山との試合後、「(妹の詩には)お待たせ、という感じ。『2人で金メダルを取ろう』とようやく言えるようになった」と笑顔。詩はそんな兄の勝利の瞬間に泣き崩れ、自身のツイッターで「おめでとう。尊敬します。もっと上を目指し2人で優勝します」とつづっていた。
東京五輪では66キロ級と52キロ級はいずれも7月25日に予定されている。
互いが互いのブースターになれば、きょうだい同時金メダルも射程圏内だ。