田中のヤ軍再契約消滅 “病み上がり”2投手獲得で実力見切り
5球団前後が正式オファーも条件合わず
ちなみに米サイト「ファングラフス」によれば、田中のストレートの平均球速は18年以降、右肩下がりで低下。昨シーズンの田中のストレートの価値は、メジャー投手約300人中230番台だったという。つまり、ヤンキースは田中の実力に見切りをつけたようなのだ。
「田中より故障明けの投手の獲得を優先した事実はとてつもなく重い」と、ア・リーグのスカウトがこう続ける。
「ヤンキースは田中の実力はもちろん、肩肘の状態に関してどこよりも把握している球団です。田中は7年前、メジャー1年目に右肘靱帯の部分断裂が明らかになった。トミー・ジョン手術ではなく保存療法をとっただけに、切れた靱帯はそのときのままです。つまり右肘に爆弾を抱えているようなものだし、ひょっとしたら状態は以前より深刻かもしれない。年々、球速が落ち、変化球のキレや精度が悪化している原因が右肘にあると判断している可能性もある。だとすれば他球団が田中獲得に尻込みをしたとしても不思議ではありません」
ア・リーグの別のスカウトによれば、「田中に対しては5球団前後が正式なオファーをしたと聞いています。けれども、とてもじゃないが田中の満足するような条件ではなかったそうです。それもこれも、先発が補強ポイントでもあったヤンキースが田中を見限ったことが大きい。右肘を問題視したかどうかはともかく、球速や変化球のキレが落ちているのは紛れもない事実ですから。すでにピークが過ぎた投手と受け取られているとしか思えない。メジャーで田中が納得するような条件を出すところはもはやない気がする」という。
ヤンキースとの再契約が消えたばかりか、メジャー残留の可能性すら低くなった。だとすれば本人がラジオ番組で「ゼロではない」と言った楽天に復帰することになるのかどうか――。