優れた発言力と存在感…藤川球児は阪神OB界の大物ルーキー
■売れる要素あふれる
この威風堂々、あるいは泰然自若とした雰囲気は長年クローザーを務めてきた人物ならではのものかもしれない。偉大なクローザーとは総じて、マウンドに立っただけで相手打線を沈黙させてしまうような存在感と、ピンチの場面でも動じたそぶりを見せない飄々とした涼しさを併せ持っていた。それでいて藤川球児は多弁なほうでもあるから、プロ野球OBの解説者タレントとしては売れる要素にあふれている。
現在の阪神出身の野球解説者業界は2000年代~10年代に活躍した新世代OB(03年と05年の優勝メンバーたち)の勢力が増しており、90年代以前のオールドOBは吉田義男、掛布雅之、岡田彰布らの大物をのぞくと、やや淘汰されつつある。新世代OBの筆頭格である金本知憲はその威厳と貫禄で圧倒的な存在感があり、赤星憲広はスマートな見た目と愛嬌のある語り口でテレビ受け抜群と言っていい。その他、下柳剛、桧山進次郎、関本賢太郎、浜中治といった面々が活躍し、意外なところでは狩野恵輔が庶民的な愛されキャラを武器に奮闘している。