世界が評価したテニス大坂なおみ選手の「政治的な動き」
「スポーツ界のアカデミー賞」とも称され、世界のスポーツ界で活躍した個人や団体を表彰する「ローレウス・世界スポーツ賞」の女子年間最優秀選手賞をテニスの大坂なおみ選手が受賞した。
メッシやジョコビッチ、ボルト、シューマッハ、ウッズら過去に受賞している男子年間最優秀選手賞を見れば、その凄さが分かる。
大坂選手は、昨年は全米オープンで優勝したものの、現在の世界ランキングは2位である。その大坂選手が今回、受賞した理由は「競技面の他『ブラック・ライブズ・マター』(黒人の命は大切、略称BLM)の人種差別抗議運動の支援などへの評価」だった。
大坂選手がBLM運動に積極的に参加したのは昨年の全米オープンの時だった。優勝するには7試合必要だが、大坂選手は試合のたび、異なる名前が記されたマスクを着けて登場した。第1戦の際、警察官に殺害された黒人の名前が書かれたマスクを7枚持っていることを明かし、「なんとか決勝まで勝ち残り、すべてのマスクをお見せしたいです」と語っていた。
決勝の第1セットは相手に圧倒され、第2セットも0―2とリードされたが、奇跡的に立ち直った。BLM運動への関与が、彼女の優勝につながったのは間違いない。