“トランプ復権”で大リーグ機構は共和党との関係修復が急務
大統領退任後、日本ではすでに「過去の人」となった感のあるドナルド・トランプも、米国では依然として政界の「話題の人」のひとりだ。
4月21日のニューヨーク・タイムズに「北朝鮮の非核化に失敗した」という韓国文在寅大統領の談話が掲載されると、ただちに反論の声明を公表したことなどは、人々に「トランプ節は健在」と思わせるには十分な出来事だった。
また、4月の日米首脳会談や5月のG7外相会議の共同声明で台湾を取り上げたことは、バイデン政権の対中政策が敵視策を採用したトランプ政権の延長線上にあると受け止められた。
あるいは、5月10日にイスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区を攻撃すると、バイデンは事態の沈静化を呼び掛けたものの、国連では米国代表部の反対により安全保障理事会の公開会合の日程が延期された。これも、結果としてバイデン政権がトランプ政権と同様に米国のイスラエル寄りの姿勢を示したと指摘されている。
実際、バイデン政権の高官はトランプ政権の対中政策の一部を継承したことを明言しているし、中東への関与の度合いを低下させたいという考えはバイデンもトランプも同じだ。